会社比較

日本信号、京三製作所、大同信号(3大信号会社)を徹底比較!

日本の信号大手3社の売上、事業内容などを比較していきます。この3社の主な事業内容は、鉄道信号システム、歩行者や車両用の交通信号灯器となります。

  1. 日本信号 (東証プライム : 6741) 
  2. 京三製作所 (東証プライム : 6742) 
  3. 大同信号 (東証スタンダート : 6743)  

3社の売り上げ、利益規模は以下のようになります。単位 : [百万円](2022年3月期)

  1. 日本信号  
    85047(売上高) 4503(純利益)
  2. 京三製作所  
    72916(売上高) 11859(純利益)
  3. 大同信号 
    22171(売上高) 716(純利益)


鉄道信号メーカーの売上規模

3社の売上規模、営業利益率を見ていきます。(3社とも2022年度3月期の数字)

売上高[百万円]営業利益率海外売上比率
日本信号850476.3%-%(記載なし)
京三製作所729164.1%28.4%
大同信号 221716.2%-%(記載なし)

3社とも営業利益率は、他の業界と比べるとやや低めです。

事業内容

日本信号、京三製作所、大同信号の主な事業内容は、鉄道信号システム、歩行者や車両用の交通信号灯器となります。

私たちが一番よく目にするのは歩行者や車両用の交通信号灯器ですが、この3社のメインの事業は鉄道信号システムのようです。

決算資料には鉄道信号システム、交通信号灯器事業が一つのセグメントとして扱われておりどちらの売上が多いのかわかりませんが、鉄道信号システムの方がより大規模な受注であることが多く、一件当たりの売上が大きいと思われます。

鉄道信号システム

鉄道信号のシステムを一括で受注し、主な製品は以下のように細分化されます。

  • インピーダンスボンド
    電車が走るための電流(帰線電流)と、車両(列車)の有無を検知するための電流(軌道回路電流)を分離させるトランス
  • 列車防護スイッチ
    緊急時に列車を停止させるための装置を動作させるスイッチ
  • 自動列車停止装置(ATS)
    運転士が停止信号を誤認をして出発・進行をしたときに、または、列車の速度が定められた速度制限を超えたときに自動的に列車のブレーキを動作させて衝突や脱線事故を防ぐシステム
  • 踏切保安装置
    踏切警報機や踏切しゃ断機、またこれらの機器に列車が接近したことを知らせる制御器、さらに自動車等が踏切内で立ち往生したことを検知し、接近中の列車に危険を知らせる踏切支障報知装置など。
  • 自動列車制御装置(ATC)
    行列車の位置や線路状況等の情報から、自動的に許容列車速度を求め、地上装置から車上装置に伝え、列車速度を常に許容速度以下にコントロールするシステム。
  • 運行管理システム
    コンピュータを用いて、列車の運行をダイヤ通りに実行させるシステム。一つのエリア内の全列車の運行を自動的に制御する。

道路交通信号システム

  • 車両用交通信号灯器
  • 歩行者用交通信号灯器
  • Ⅱ形歩行者用押ボタン箱
  • 交通管制システム
  • 情報表示装置
    中央装置からの指令により、任意の図柄や渋滞情報、その他文字情報をマルチカラー対応のLEDに表示し、ドライバーに対する情報提供を目的として使用。



日本信号

日本信号の売上、当期純利益率を見ていきましょう。


2018.32019.32020.32021.32022.3
売上高(連結)83770998571116759275585047
純利益20515306658449164503

2020年を境にして売上高、純利益ともに減少傾向にあります。

これは日本信号の主顧客である鉄道会社がコロナ禍により業績が低迷し、新規投資や設備投資に対して慎重になったためと考えられます。

次に、セグメント別売上比、営業利益率を見ていきましょう。

セグメント売上比利益率
交通運輸インフラ57%10.7%
ICTソリューション43%9.1%

鉄道信号機器を中心とする交通運輸インフラ部門だけでなく、駐車場関連機器やオフィス用の人や車の入退場管理を中心としたセキュリティシステムなど幅広く事業を展開しています。

事業構成

交通運輸インフラ : 主に鉄道信号保安設備機器、道路交通安全システムの製造・販売・保守サービスを指す。

ICTソリューション : 主にAFC機器、駐車場機器の製造・販売・保守サービスを指す。

(AFC機器 : 自動出改札機、ホームドア、駅務システムなど)

同社の決算短信によると、AFCについて以下のような記載がありました。

「AFC」では、MaaSの本格展開を見据え、キャッシュレス決済システム、画像処理等のビジネス環境が拡
大していくと捉え、新たなスマートモビリティ社会・決済システムに対応する新製品の市場投入、新事業の創造に
取り組んでまいります。

引用

大株主

西日本旅客鉄道が全株式の3.0%、ノルウェー政府が2.1%を保有しています。

京三製作所

京三製作所の売上、当期純利益率を見ていきましょう。


2018.32019.32020.32021.32022.3
売上高(連結)7390569305728106221872916
純利益369223051974-792111859

2021年度3月期の純利益は-7921[百万円]と大幅に減少しています。

この原因は、2021年1月14日に発生した本社工場における火災により出荷が延期となったことから売上が大幅に減少し、また火災に伴う棚卸資産の焼損および関連諸費用の発生等により特別損失11,776百万円を計上したことと決算短信に記載があります。

2022年度3月期の純利益は11859[百万円]と大きく上昇しています。

この原因は、営業利益、経常利益が前年度より2倍近く増加したことに加え、火災に係る保険金の受け取りに伴う特別利益(+13758[百万円])などを計上したことが要因だそうです。(決算短信)

次に、セグメント別売上比、営業利益率を見ていきましょう。

セグメント売上比経常利益率
信号システム77%9.6%
パワーエレクトロニクス23%9.5%

事業構成

信号システム : 鉄道信号システム、道路交通管制システム等の生産・販売。

パワーエレクトロニクス : 半導体応用機器等の生産・販売。具体的には、電力変換システムを指し、プラズマ発生用で大きなシェアを誇る高周波電源を含む。

京三製作所は鉄道信号システムだけでなく、電力変換システムに強みを持ちます。

大株主

京王電鉄が全株式の5.0%、東海旅客鉄道が3.1%を保有しています。

大同信号

大同信号の売上、当期純利益率を見ていきましょう。


2018.32019.32020.32021.32022.3
売上高(連結)2127724809249422294322171
純利益-654178615651084716

日本信号と同じく、2020年以降は主顧客である鉄道会社がコロナ禍により業績が低迷し、新規投資や設備投資に対して慎重になったため減収減益となっています。

セグメント売上比経常利益率
鉄道信号関連事業92%12.5%
産業用機器関連事業6%0.3%
不動産関連事業2%44.6%

大手信号3社の中でも、鉄道信号システムの売上が92%と最も高いのが特徴です。

不動産関連事業の利益率が44.6%と飛び抜けて高く、この利益率の高さはJR各社と共通している所があります。

事業構成

鉄道信号関連事業 : 鉄道信号保安装置の製造販売ならびに設置工事。

産業用機器関連事業 : 情報通信機器の製造販売。具体的には、

  • 非接触耐熱IDシステム
  • 梯子車・高所放水車制御装置
  • 高速道路標識のナンバリングに伴う内部・外部照明式標識

不動産関連事業 : 不動産の賃貸。

大株主

日本電設工業<東証プライム : 1950>が全株式の11.6%を保有しています。

日本電設工業

鉄道電気工事でトップのシェアを持つ。東日本旅客鉄道が全株式の18.8%を保有しており、同社の持分法適用関連会社。


社員の年収、平均年齢

売上社員数(連結)社員数(単体)平均年収
日本信号85047[百万円]3043人1270人737万円
京三製作所72916[百万円]2120人1404人742万円
大同信号22171[百万円]913人539人630万円

社員数に対して売上高は概ね比例関係にあります。

一般的に売上高が多い大企業であるほど年収が多い傾向にありますが、この3社もそのような傾向にあります。

今後の展望

国内大手信号メーカーの主顧客は鉄道各社であり、鉄道業界の動向に良くも悪くも影響されることになります。

2022年度3月期までは、火災に係る保険金の受け取りに伴う特別利益を計上した京三製作所以外は減収減益の傾向が続いていますが、今後のコロナ規制の緩和に伴いどのように業績が回復するが注目していきたいと思います。

※参考

会社四季報 2023年1集 東洋経済社

各社の決算短信

日本信号 京三製作所 大同信号

-会社比較